「カーネリアンは7月の誕生石ですよね?」「お店では8月と書かれていたのですが、どちらが正しいのでしょうか」。カーネリアンについて調べると、このような疑問によく出会います。
実際に検索してみると、「7月の誕生石」と紹介するページが多く、なかには「8月の誕生石」とするお店もあります。ところが、日本の業界団体が公表している誕生石の一覧を見ると、話は少し違います。
先に結論をお伝えします。
日本の誕生石一覧(2021年12月20日改訂の現行版)に、カーネリアンは入っていません。日本の7月の誕生石はルビーとスフェーンです。一方、英国の宝飾業界団体NAJの一覧では、カーネリアンが7月の「代わりの石」とされています。「7月の誕生石」という紹介は、こうした海外の一覧にもとづくものと考えられます。誕生石は国や団体によって違うため、どの一覧の話かを知ったうえで選べば、7月生まれの方への贈り物にしても問題ありません。
この記事では、日本・米国・英国の3つの一覧の違い、日本の一覧ができた経緯、「8月」と書かれる理由、贈るときに確かめたいことを、業界団体と鑑別機関の資料をもとに整理します。
日本の誕生石一覧にカーネリアンは入っていない|2021年の改訂後も同じ

日本ジュエリー協会(JJA)が公表している現行の誕生石一覧は、次のとおりです。
| 月 | 誕生石(2021年12月20日改訂) |
|---|---|
| 1月 | ガーネット |
| 2月 | アメシスト/クリソベリル・キャッツ・アイ |
| 3月 | アクアマリン/サンゴ/ブラッドストーン/アイオライト |
| 4月 | ダイヤモンド/モルガナイト |
| 5月 | エメラルド/ジェイダイト(ヒスイ) |
| 6月 | 真珠/ムーンストーン/アレキサンドライト |
| 7月 | ルビー/スフェーン |
| 8月 | ペリドット/サードオニックス/スピネル |
| 9月 | サファイア/クンツァイト |
| 10月 | オパール/トルマリン |
| 11月 | トパーズ/シトリン |
| 12月 | トルコ石/ラピス・ラズリ/タンザナイト/ジルコン |
12カ月・29種のなかに、カーネリアンはありません。7月にも8月にも入っていないのが、日本の現行の一覧です。
7月の誕生石はルビーとスフェーン|日本の一覧ができた経緯

日本の誕生石は、もともとアメリカの一覧をもとにしています。JJAは、1912年にアメリカの宝石業界が定めた種類が、今日、日本でも広く知られ、一般に用いられていると説明しています。
一覧を改訂した全国宝石卸商協同組合の発表によると、経緯は次のとおりです。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1958年 | 全国宝石卸商協同組合が、日本で初めて誕生石を制定。アメリカの宝石商組合の誕生石をもとに、日本独自にサンゴとヒスイを加えた |
| 2021年12月 | 63年ぶりに改訂し、10石を追加(全29種)。JJAなども賛同 |
2021年の改訂は、国内でさまざまな誕生石のリストが混在し、消費者が混乱することを避けるため、業界として統一することが第一の理由とされています。このとき7月に加わったのがスフェーンで、新種の鉱物として初めて認識した人物の誕生月が7月であることにちなむと説明されています。
1958年の一覧にも、2021年に追加された10石にも、カーネリアンは含まれていません。つまり、この業界団体の一覧(1958年制定・2021年改訂)に、カーネリアンはこれまで入ったことがないということになります。
なお、米国の鑑別機関GIAも、7月の誕生石としてはルビーだけを紹介しています。
「7月の誕生石」と書かれる背景|英国の業界団体の一覧

それでは、なぜカーネリアンは「7月の誕生石」と紹介されるのでしょうか。手がかりになるのが、英国の宝飾業界団体NAJ(National Association of Jewellers)の一覧です。
NAJは、月ごとに「伝統的な石」と「代わりの石」を分けて示しています。
| 一覧 | 7月 | 8月 |
|---|---|---|
| 日本(JJA・2021年改訂) | ルビー/スフェーン | ペリドット/サードオニックス/スピネル |
| 米国(GIAの紹介) | ルビー | ペリドット/スピネル/サードオニックス |
| 英国(NAJ) | 伝統的な石:ルビー/代わりの石:カーネリアン | 伝統的な石:ペリドット/代わりの石:スピネル |
このように、英国の一覧では、カーネリアンが7月の「代わりの石」に挙げられています。誕生石は国や団体ごとに定められたもので、世界共通の一覧があるわけではありません。「7月の誕生石」という紹介は、こうした英国の一覧にもとづくものと考えられます。
そのため、「7月の誕生石」と書くこと自体が誤りとはいえません。ただし、日本の業界団体の一覧の話ではないという点は、知っておくとよいでしょう。
「8月の誕生石」と書かれる件|サードオニックスとの関係

お店で、カーネリアンに「8月」と書かれていることもあるようです。今回確認した日本・米国・英国のどの一覧でも、カーネリアンは8月に入っていません。
考えられるのは、8月の誕生石サードオニックスとの関係です。GIAによると、サードオニックスは2種類のカルセドニーの組み合わせで、褐色がかった赤〜褐色〜濃いオレンジ色の「サード」の層と、白や黒の「オニキス」の層が重なった石です。
このサードは、カーネリアンと同じ赤系のカルセドニーで、事典でも赤褐色のメノウを指す名前とされています。カーネリアンとサードの境目は、赤みが強いか、茶色みが強いかという色の見え方で、とても近い関係にあります。そのため、8月の誕生石サードオニックスの仲間として扱われ、「8月」と書かれることもあるのではないかと考えられます。
カーネリアンとサード、赤メノウの呼び分けについては、カーネリアンと赤メノウの違いで詳しく解説しています。
カーネリアンを誕生石として選ぶときに確かめたいこと

どの一覧の誕生石かを知っておく
日本の業界団体の一覧にこだわるなら、7月はルビーかスフェーン、8月はペリドット・サードオニックス・スピネルです。一方、英国の一覧に沿えば、カーネリアンは7月の誕生石として選べます。どちらの考え方で選ぶのかがわかっていれば、迷う必要はありません。贈るときに「英国の一覧で7月の石とされている」とひとこと添えると、受け取る方にも由来が伝わります。
誕生日石は別の系統
日付ごとに石を当てはめた「誕生日石」として、カーネリアンを紹介するものもあります。誕生日石は書籍などに由来するもので、JJAの誕生石一覧には記載がありません。月ごとの誕生石とは別の系統と考えておきましょう。
石の状態と色のでき方
カーネリアンを含むカルセドニーは、加熱や染色で色を整えることがある石です。米国の宝石業界団体AGTAの資料では、染色されたものの一部は光や熱で色があせることがあるとされています。贈り物として選ぶときは、購入するお店で処理の有無や手入れの方法を確かめておくと安心です。手入れの注意点は、カーネリアンの硬度と扱い方で詳しく解説しています。
受け継いだ誕生石ジュエリーについて
誕生石として贈られたカーネリアンのジュエリーを、長くお持ちの方もいらっしゃるでしょう。SHINKAでは、石の色・透明感・状態に加えて、枠の貴金属・デザイン・鑑別書の有無まで含めて、ジュエリー全体として総合的に査定します。加熱や着色といった処理は、可能性として確認しますが、見た目だけで断定はしません。
まとめ|カーネリアンと誕生石
- 日本の誕生石一覧(2021年改訂の現行版)に、カーネリアンは入っていません。1958年の制定時の一覧にも、2021年に追加された石にも含まれていません
- 日本の7月の誕生石はルビーとスフェーン。米国のGIAも、7月はルビーとしています
- 英国の宝飾業界団体NAJの一覧では、カーネリアンは7月の「代わりの石」。「7月の誕生石」という紹介は、こうした海外の一覧にもとづくものと考えられます
- 「8月」と書かれるのは、8月の誕生石サードオニックスに含まれるサードが、カーネリアンと近い石だからとも考えられます
- 誕生日石は、月ごとの誕生石とは別の系統です
- どの一覧の話かを知っておけば、7月生まれの方への贈り物に選んで問題ありません
お手元にある誕生石のジュエリーが、いまどのように評価されるのか、一度確かめてみませんか。
査定の対象や流れについては、カーネリアンの買取|査定で確認することと、相場額を載せない理由をご覧ください。
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