シトリンの買取査定|評価はどう積み上がるのか、石だけで決まらない理由

「シトリンの買取価格はいくらですか」

このご質問に、金額だけでお答えすることはできません。理由は、シトリンの査定額が石そのものの評価だけでは決まらないためです。

当店では、宝石・貴金属・作りやデザイン・ブランド・状態・鑑別書・再販市場を含めて、ジュエリー全体として査定しています。同じシトリンが留まっていても、それ以外の条件が違えば結果は変わります。

この記事では、評価がどう積み上がるのかを、順に組み立てていきます。金額そのものはお約束できませんが、査定額の構造をご理解いただければ、売却の判断はできるはずです。

査定額は、性質の違う7つの評価を合算したものです

シトリンのルースと指輪を並べた図。査定額は石と石以外の両方を見て決まることを示す

最初に結論をお伝えします。

当店では、シトリンのお品物を、次の7つの観点で評価しています。

観点何を見ているか
宝石シトリンそのものの品質
貴金属台座・枠に使われている金・プラチナ等
作り・デザイン細工の手間、デザインとしての完成度
ブランドブランドとしての評価
状態欠け・傷・変形・欠品の有無
鑑別書付属する書類から確認できること
再販市場そのお品物が次にどう扱われるか

査定額は、このいずれか1つで決まるものではありません。それぞれを見たうえで、合算した結果です。

そして重要なのは、この7つが同じ性質のものではないという点です。石の評価は宝石学の話ですが、貴金属は重量と相場の話であり、再販市場は流通の話です。性質の違うものを、それぞれの見方で評価しています。

以降では、まず石そのものの評価から始め、そのあとに石以外の評価を扱います。

石そのものの評価|GIAが示す4つの要因が見ているもの

彩度の高いシトリンと褐色味のあるシトリンを並べた図。色を見る2つの軸を示す

シトリンそのものの品質について、GIAは色・クラリティ・カット・カラット重量を要因として示しています。

ただ、要因の名前を並べるだけでは、何を見ているのかが伝わりません。それぞれが何の指標なのかを整理します。

色|彩度と褐色味

GIAは、褐色味がほとんど、またはまったくない、彩度の高い色を珍重される色として説明しています。評価される色域は、彩度の高い黄色から、赤みがかったオレンジ、オレンジがかった赤色までです。

また、現代の市場では、深い褐色味や赤味のあるオレンジも人気色として説明されています。

つまり色の評価は、「濃いか薄いか」という一次元の話ではありません。彩度と、褐色味の入り方という2つの軸で見ています。

クラリティ|基準が高い理由

市場に流通するファセットカットのシトリンは、その多くが肉眼で内包物の見えない状態です。

これは評価の前提を押し上げます。大半がその水準にあるため、目に見える内包物や目立つ色のむらがあると、相対的に不利になります。特に色の淡い石で内包物が目立つ場合、価値への影響が大きくなり得るとGIAは説明しています。

「内包物があるから価値がない」のではなく、市場の標準がどこにあるかによって、同じ内包物の意味が変わるということです。

カット|規格だけでは測れない

シトリンは、規格的なカットだけでなく、オリジナルのカットやファンシーカット、彫刻にも用いられます。GIAは、魅力的なカットスタイルを品質判断の一要素としています。

石のサイズに対して何を優先してカットしたのか。そこに作り手の判断が現れます。

カラット重量|他の宝石と上がり方が違う

ここは、シトリンの評価を考えるうえで特に重要な点です。次の項目で扱います。

大きさの評価が、他の宝石と同じようには効きません

大きいシトリンと小さいシトリンを並べた図。大きさだけで査定額が決まらないことを示す

GIAは、シトリンについて次のように説明しています。

  • 大粒が比較的入手しやすい
  • 大きくなっても、1カラットあたりの価格が小粒に比べて著しく上がるとは限らない

宝石のなかには、サイズが大きくなるほど希少性が急激に高まり、1カラットあたりの単価そのものが跳ね上がるものがあります。市場に出る個体数が限られるためです。

シトリンは、その上がり方をしにくい石だとGIAは説明しています。

これは評価の構造として、次を意味します。

大きさが単価を押し上げる力が弱い分、他の要素が相対的に効いてきます。色の質、カットの完成度、そして石以外の部分です。

「大きいから高いはず」という前提で査定額を予想すると、実際と離れやすいのはこのためです。

石以外の評価|当店が何を見ているか

爪や枠、アームの作りが見えるシトリンの指輪の拡大

ここからが、査定額の組み立てのもう半分です。

貴金属|計算できる部分

指輪やペンダントの台座・枠に使われている金やプラチナは、重量と品位(K18・Pt900など)から計算できる部分です。

宝石の評価が判断を伴うのに対し、貴金属は計算に近い性質を持ちます。ただし相場は日々変動するため、金額をあらかじめお示しすることはできません。査定の際に、その日の相場をもとにお伝えします。

作り・デザイン|同じ石でも変わる部分

同じシトリンが留まっていても、細工の手間やデザインとしての完成度によって、お品物の評価は変わります。

石を主役にした作りなのか、デザイン全体のなかの一要素なのか。その構成自体が評価の対象です。

ブランド

ブランドのお品物であれば、その評価も含まれます。ノーブランドのお品物も、もちろん査定します。

状態

欠け・傷・変形・留め具の欠品などを確認します。

ただし、状態が悪いことは査定できない理由になりません。欠けや割れのあるお品物、石が枠から外れてしまったお品物も、そのままお持ちいただけます。

鑑別書

お持ちの場合は、記載された石種などを重要な確認根拠として扱います。ない場合でも査定できます(H2-6で扱います)。

再販市場|なぜ買取店の評価に関わるのか

7つ目の観点は、他とは性質が違います。

買取店の査定額は、そのお品物が次にどう扱われるかと切り離せません。同じ品質・同じ素材でも、次の流通のかたちが違えば、評価も変わります。

これは石の品質の話でも、素材の話でもありません。流通の話です。当店が「宝石だけで決まらない」と申し上げているのは、こうした性質の違う要素を合算しているためです。

個別のご質問と、その位置づけ

1粒のシトリンから4つの論点へ線が伸びる図。加熱・表記・判別・産地の位置づけを示す

シトリンの査定でよくいただくご質問について、査定額との関係を整理します。詳細は、それぞれの記事で扱っています。

加熱されたアメシストの扱い

GIAによれば、天然のシトリンは自然界では稀で、市場にあるシトリンの多くはアメシストを加熱して色を変えたものです。加熱は例外ではなく、市場の標準的な状態です。

当店では、加熱されていることだけを理由に減額していません。一方、着色や染色のように市場評価に影響する処理は、査定額へ反映します。

くわしくは:シトリンとアメシストの関係

「シトリントパーズ」表記の扱い

シトリンはクォーツであり、トパーズとは別の鉱物です。GIAは、近代宝石学の確立以前に、シトリンがその色のためトパーズと混同された歴史を説明しています。

当店では、この表記があるお品物をシトリンとして査定します。表記を理由に減額することはありません。

くわしくは:シトリンとトパーズの違い

天然か加熱かの判別

見た目だけで断定することはできません。当店では処理の傾向を見ることはありますが、店頭で断定はしていません。

判別できていない状態のままお持ちいただけます。天然・合成・模造のいずれか判別できていないお品物でも、査定・ご相談をお受けしています。

くわしくは:天然か加熱かの見分け方

産地と査定額の関係

当店では、シトリンについて、産地だけを理由に査定額を変えていません。

これは「シトリンの産地に意味がない」という主張ではありません。市場全体での扱いは時期や需要で変わり得ます。当店が現在どう査定しているかという話です。

なお「ブラジル産」と表示されるものの多くは、加熱される前のアメシストの産地を指しています。GIAが天然シトリンの主要産地として挙げるのは、ボリビア・スペイン・マダガスカル・メキシコ・ウルグアイです。

くわしくは:シトリンの産地と査定

鑑別書がないことは、シトリンでは標準的な状態です

鑑別書がある場合とない場合を並べた図。どちらもそのまま査定できることを示す

鑑別書・鑑定書がなくても査定できます。

シトリンでは、お持ちでない方のほうが多くいらっしゃいます。これには市場としての理由があります。

GIAはシトリンにも識別のレポートを提供していますが、一般的なシトリンの価格に対してレポート費用の負担が大きいため、シトリンでレポートが依頼されることは一般的ではないとしています。

つまり、書類がないことはシトリンにおいて例外的な状態ではありません。書類を用意してからでなければ相談できない、ということはありません。

お持ちの場合は、記載内容を重要な確認根拠として査定に反映します。

次のような状態でも査定できます

  • 鑑別書・鑑定書がない
  • 石が枠から外れている
  • 欠け・割れがある
  • ルース(石だけ)の状態
  • ピアスが片方のみ
  • 購入時期が不明な古いお品物
  • ノーブランド
  • 天然・合成・模造のいずれか判別できていない

査定の進め方

お持ちいただく、目の前で査定、その場でご説明という3つの流れを示した図

方法

店頭・宅配・出張・LINEからお選びいただけます。ご予約なしでもお越しいただけます。

店頭での流れ

目の前で査定します。査定中のご質問にはその場でお答えします。この記事で扱った7つの観点のうち、どこをどう見たのかをお伝えできます。

お時間は通常5〜10分ほどが目安です。

店頭ではその場で現金でお支払いします。宅配の場合は原則24時間以内にお振り込みします。

費用

査定料・キャンセル料・出張料・宅配の返送料・振込手数料は無料です。宅配の送料も原則無料です。

売却をお決めになっていない段階のご相談だけでもお受けしています。他店との相見積もりも歓迎しています。

よくある質問

色も大きさも作りも違う4点のシトリンの品物

Q. シトリンの買取相場を教えてください。

一律の相場をお示しすることはできません。査定額は、石そのものの品質に加えて、貴金属・作りやデザイン・ブランド・状態・鑑別書・再販市場を含めた合算で決まるためです。

Q. 石が小さいと査定できませんか。

査定できます。大きさは評価の一要素ですが、GIAが示すとおりシトリンは大きさが単価を押し上げにくい石です。色や状態、そして石以外の部分の評価が結果を左右します。

Q. 加熱されたシトリンは減額されますか。

当店では、加熱されていることだけを理由に減額していません。

Q. 石だけ、枠だけでも査定できますか。

できます。ルースの状態でも、石が外れた枠だけの状態でも査定します。

Q. 鑑別書がありません。

査定できます。シトリンでは、お持ちでない方のほうが一般的です。

Q. 査定額の内訳を教えてもらえますか。

査定中にお尋ねください。目の前で査定していますので、どの観点をどう見たのかをお伝えします。

Q. 売るかどうか決めていません。

ご相談だけでもお受けしています。査定料は無料で、相見積もりも歓迎しています。

まとめ

  • シトリンの査定額は、石そのものの評価だけでは決まりません
  • 当店は宝石・貴金属・作りやデザイン・ブランド・状態・鑑別書・再販市場の7つの観点で評価し、性質の違うものをそれぞれの見方で見たうえで合算しています
  • GIAが示す品質要因のうち、色は彩度と褐色味の2軸クラリティは市場の標準との相対で見るものです
  • 大きさが単価を押し上げる力が弱い分、他の要素が相対的に効きます
  • 加熱されていることだけを理由に減額していません
  • 当店では、産地だけを理由に査定額を変えていません
  • 鑑別書がなくても査定できます。シトリンではお持ちでない方のほうが一般的です

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スフェーン買取|査定で確認している評価要素と、金額が個体ごとに変わる理由

スフェーンの買取を調べると、買取店が公開している実績の金額が並びます。しかし、その金額がなぜその石に付いたのかを説明したページは、ほとんどありません。

スフェーンは、同じ重量でも評価が大きく分かれる石です。理由は、この石の魅力そのものにあります。

スフェーンの分散度は 0.051 で、ダイヤモンドの0.044を上回ります。ただしこれは鉱物としての素質であり、個体差のない共通の数値です。

実際に虹色の輝きとして現れるかどうかは、透明度・カット・表面の状態で決まります。

つまり、素質は共通で、差がつくのは「それが引き出されているか」と「損なわれずに残っているか」の部分です。

重量は、この2つを代理してくれません。だからスフェーンでは、重さから査定額を逆算できません。

この記事では、SHINKAの査定で何を、どの順に確認しているのかを公開します。あわせて、どこまでを店頭で判断し、どこからが鑑別機関の領域なのかという境界もお伝えします。

スフェーンの査定で、何を順に確認しているのか

石種の確認・石の評価・全体の評価という3段階を示した図

SHINKAでは、宝石だけを単独で見るのではなく、ジュエリー全体として総合的に査定しています。確認しているのは次の項目です。

段階確認していること
1|石種の確認色・光の出方・光学的な特徴から、どの石として扱うかを確認します
2|素質スフェーンとしての分散(虹色の輝き)・色
3|顕在化透明度とカット。素質がどれだけ外へ出ているか
4|保存状態。摩耗・傷・欠けによって、出せていたものがどれだけ残っているか
5|ジュエリー全体台座や枠の貴金属作りやデザインブランド鑑別書の内容
6|市場再販市場。その品質のスフェーンが、現在どのように求められているか

品物や確認したい内容に応じて、UV・特殊光源や比重測定などを確認材料として使用することがあります。

この順序には理由があります。2の素質はスフェーンである以上どの石も共通して備えているため、査定額の差は主に3と4で生まれます。そして5と6は、石の評価とは別に加わる部分です。

「石が小さいから金額にならない」と思われていた品物が、台座の貴金属やデザイン、ブランドの部分で評価されることもあります。

スフェーン(チタナイト)という石の位置づけ

面光源の下に置かれたスフェーンのルース

査定のご説明に入る前に、名称を整理しておきます。同じ石が複数の名前で呼ばれており、お品物の書類と実物の名前が違って見えることがあるためです。

呼び方位置づけ
チタナイト(Titanite)鉱物としての名前。組成は CaTiSiO₅ で、チタンを含むケイ酸塩鉱物です
スフェーン(Sphene)宝石として扱うときの呼び名。ギリシャ語の「くさび」に由来します
和名:チタン石日本語の鉱物名
別名:くさび石くさび形の結晶形にちなむ呼び名

産業技術総合研究所 地質標本館の標本情報にも、和名「チタン石」・別名「くさび石」・英名 Titanite (Sphene) として記載されています。

呼び方が違っても、査定の対象としては同じ石です。書類に「チタナイト」と記載されていても、スフェーンとして評価します。

なお、一般社団法人日本ジュエリー協会の誕生石では、7月の誕生石としてルビーとともにスフェーンが掲載されています(2021年12月20日改訂・日本の業界団体による区分)。

分散度0.051という数値の意味

スフェーンの光学的な特徴は、分散度0.051です。ダイヤモンドの0.044を上回り、GIAもスフェーンを高い分散度に由来するファイアで知られる石として説明しています。

ただし、この数値は価格の順位を意味しません。

宝石の市場価値は、光学的性質だけでなく、耐久性・供給量・再販市場の厚みが重なって形成されます。スフェーンは硬度5〜5.5で明瞭な劈開を持ち、ダイヤモンドのような確立した再販市場を持ちません。分散度で上回ることと、価格で上回ることは別の話です。

公開されている買取実績の金額を、個体へ当てはめられない理由

摩耗のないスフェーンと、摩耗したスフェーンの比較

買取店のサイトには、実績として重量と金額が並んでいることがあります。その金額は、その石の条件に対して出た結果です。次の3点が違えば、評価は変わります。

① 透明度とカット|内包物は、ファイアと同じ光路を共有している

虹色の閃光は、石に入った光が内部で反射して戻ることで生まれます。その経路上に内包物や成長模様があれば、光はそこで散乱し、波長ごとに分かれきる前に方向を失います。

そのため、分散度0.051という素質を持っていても、内包物の多い石では閃光として現れにくくなります。透明度は、それ自体の美しさと、ファイアの顕在化という二重の経路で評価に効きます。

② 状態|ほかの評価要素の見え方まで下げる

スフェーンは硬度5〜5.5と低く、{110} に明瞭な劈開(2方向)があり、靭性は脆いという3つの弱点を同時に持ちます。

重要なのは、摩耗が状態だけの減点にとどまらないことです。表面の光沢が失われた石では、入射光がファセットで正しく反射せず、素質としてのファイアが顕在化しなくなります。

同じ「傷あり」でも、輝きに関わる位置かどうかで意味が変わります。現物を確認しなければ判断できないのは、このためです。

③ 大きさと品質の組み合わせ|稀なのは「大粒」ではなく「大粒でクリーン」

スフェーンのカット石は1〜2ctが中心で、まれに10〜12ctに達します。そして資料が稀としているのは、「5〜10ctを超えていて、なおかつクリーンな石」です。

硬度が低く、劈開があり、脆い石ほど、大きな原石が内部に割れや内包物を含まずにカットまで到達する確率は下がります。大粒であることと、大粒でクリーンであることは、市場において別の意味を持ちます。

そのうえで、公開されている数字には時点と、販売価格か買取価格かが示されていないことがあります。この2つが不明な数字は、比較の基準になりません。

SHINKAでは、記事中に買取金額の目安を掲載していません。個体ごとに評価が変わる要素が価格差の中心を占めており、重量から導ける数値ではないためです。

重量では決まらないということは、小さくても評価される石があるということでもあります。

お手元のスフェーンが、どの段階でどう評価されるのか。査定は原則としてお客様の目の前で行い、なぜその評価になるのかをその場でご説明します。査定料・キャンセル料はいただきません。売却をお決めになっていない段階のご相談も承っています。

評価要素ごとの詳細は、スフェーンの価値は何で決まるか|査定で見る評価要素と価格差の理由で解説しています。

売る前に確認しておきたい3つのこと

石種が不明・傷がある・色が違うスフェーンを3粒並べています

査定前によくいただくご質問を、要点だけ整理します。

手元の石が、スフェーンかどうか判別できない

石種が判別できないままお持ちいただけます。

スフェーンは黄緑〜緑の色域でほかの宝石と外観が重なります。見た目だけで石種を断定することはできません。SHINKAでも、店頭の観察で申し上げられるのは傾向までで、断定はしていません。

なお、「ファセットの稜線が二重に見えればスフェーン」という説明を見かけますが、これは正確ではありません。ペリドットも強い複屈折を持ち、二重像が現れます。

判別軸の詳細は、スフェーンとペリドットの違い|分散と複屈折で見分ける2つの軸で解説しています。

傷や欠けがある

そのままお持ちいただけます。

前章のとおり、状態は評価に効きますが、同じ「傷あり」でも状態の意味は個体によって違います。輝きの生まれ方まで踏まえなければ、その傷が評価にどう関わるかは判断できません。

硬度・劈開・靭性がそれぞれ何に効くのかは、スフェーンの弱点とは?硬度・靭性・安定性から見る割れやすさと扱い方で解説しています。

色が、一般に紹介されている色と違う

黄・黄緑・緑・オレンジ・褐色は、いずれもスフェーンです。

緑みは鉄の含有量に由来し、濃い緑を示すクロムスフェーンはCr³⁺による稀な変種です。ただし、外観から発色元素を断定することはできません。「濃い緑に見える」ことと「クロムが入っている」ことは別の事実です。

また、変種名がついているという理由だけで評価を上げることもしていません。同じ呼び名でも、色の濃さ・透明度・大きさ・状態で評価は変わります。

色と評価の関係は、スフェーンの色|緑になる仕組みと、色が価値を分ける理由で解説しています。

売る前に避けていただきたい行為

細かい擦り傷で光沢が鈍ったスフェーンのルース

査定前の手入れによって、評価そのものが下がることがあります。理由とあわせてお伝えします。

避けていただきたい行為何に触れるのか
超音波洗浄機・スチーム洗浄機靭性と安定性。振動が既存のクラックを進行させる可能性があり、蒸気は急激な温度変化を加えます
研磨剤・歯磨き粉でこする硬度。硬度5〜5.5の石に硬い粒子を当てれば、表面に細かい傷が残ります
引っかいて硬さを確かめる/薬品につける/加熱する3つすべて。判別のための行為で、評価対象そのものを損ないます

クリーニングを外部へ依頼される場合も、スフェーンであることを必ずお伝えください。

手入れはぬるま湯・中性洗剤・柔らかいブラシで行い、汚れが付着しているときはこする前に流して落としてください。拭く動作そのものが傷の原因になりうるためです。

そのうえで、無理に手入れをしてからお持ちいただく必要はありません。現状のままで査定できます。

どこまで店頭で判断し、どこからが鑑別機関の領域か

店頭で判断する範囲と鑑別機関の領域を分けた図

鑑別書・鑑定書がなくても査定できます。ルース単体、石が枠から外れたもの、欠けや割れのあるもの、片方だけのピアス・イヤリング、古い品物、ノーブランドの品物も同様です。

そのうえで、当店は鑑別機関ではありません。この境界を明確にしておきます。

領域内容
店頭で行うこと色・透明度・内包物・カット・光の出方の確認。必要に応じてUV・特殊光源や比重測定を確認材料として使用します。そのうえで、傾向として判断できる範囲をご説明します
店頭で行わないこと石種・発色元素・処理の有無の断定。科学的な証明は鑑別機関の領域です
鑑別書がある場合信頼できる鑑別機関のものであれば、記載された石種を重要な確認根拠として扱います

なお、すべてのお品物を鑑別機関へお出しするわけではありません。鑑別結果が査定額に大きく影響すると考えられる場合には当店から依頼することがありますが、影響が限定的と判断される品質・価格帯では、既存の鑑別書があればそれを参考にして査定します。

この線引きも含めて、その場でご説明します。

査定の流れと費用

持ち込み・査定・説明という査定の流れを示した図

査定の方法

方法内容
店頭お持ちいただき、その場で査定します
宅配お送りいただいて査定します
出張ご自宅までうかがいます
LINE査定写真でのご相談から

ご予約なしでもお越しいただけます。

店頭での流れ

原則としてお客様の目の前で査定します。査定中のご質問にもお答えします。何を確認し、どこまで判断できて、どこからが鑑別機関の領域なのかをお伝えします。

お時間は通常5〜10分程度が目安です。ご納得いただけた場合、店頭ではその場で現金でお支払いし、宅配の場合は原則24時間以内にお振り込みします。

費用

項目費用
査定料無料
キャンセル料無料
出張料無料
宅配の送料原則無料
宅配の返送料無料
振込手数料無料

売却をお決めになっていない段階のご相談も承っています。他店との相見積もりも歓迎しています。

お持ちいただくもの

お品物のほかに、鑑別書・保証書・箱などの付属品があればあわせてお持ちください。なくても査定できます。

よくある質問

枠にセットされ、判別しにくい状態のスフェーン

Q. スフェーンの買取相場はいくらですか。

一律の相場をお伝えすることはできません。スフェーンの価格差は、素質ではなく透明度・カット・状態という顕在化と保存の層から生まれます。重量を軸にした相場は、この差を含んでいません。品物を拝見したうえでご説明します。

Q. スフェーンとチタナイトは、違う石ですか。

同じ石です。チタナイトが鉱物名スフェーンが宝石として扱うときの呼び名です。和名は「チタン石」、別名は「くさび石」です。

Q. 二重像(ダブリング)が見えました。スフェーンで間違いないでしょうか。

二重像だけでは判断できません。ペリドットも強い複屈折を持ち、二重像が現れます。スフェーンのほうがずれは大きく出ますが、石の大きさ・カット・見る方向で見え方が変わるため、単独の判断材料にはなりません。

Q. 査定のために、鑑別書を取得しておいたほうがよいですか。

必要ありません。鑑別書がなくても査定できます。鑑別結果が査定額に大きく影響すると考えられる場合には当店から鑑別機関へ依頼することがありますが、影響が限定的と判断される品質・価格帯では、既存の鑑別書があればそれを参考にして査定します。

Q. 傷があると、どのくらい下がりますか。

一律の下げ幅はありません。スフェーンでは、摩耗が透明度やファイアの見え方にまで波及するため、同じ傷でも位置と程度によって意味が変わります。現物を確認したうえでご説明します。

Q. 石だけ(ルース)でも査定できますか。

はい。ルース単体、石が枠から外れた状態、片方だけのピアス・イヤリングも査定できます。

Q. 売却を決めていないのですが、相談だけでもよいですか。

はい。査定料・キャンセル料は無料で、ご相談だけのご利用も承っています。

まとめ

#内容
1査定は、石種の確認 → 素質 → 顕在化 → 保存 → ジュエリー全体 → 再販市場の順で確認する
2分散度0.051は個体差のない共通の素質。差がつくのは透明度・カット・状態
3内包物はファイアと同じ光路を共有する。透明度は二重の経路で評価に効く
4状態はほかの評価要素の見え方まで下げる。硬度5〜5.5・劈開2方向・脆いという3つの弱点による
5稀なのは「大粒」ではなく「大粒でクリーン」
6分散度でダイヤモンドを上回ることは、価格の順位を意味しない
7時点・価格種別・品質条件のない金額は、個体の目安にならない
8石種が判別できなくても、傷や欠けがあっても、鑑別書がなくても査定できる。ただし手入れは行わずにお持ちください

お手元のスフェーンがどの段階でどう評価されるかは、実際に石を確認したうえでお伝えできます。

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この記事は公開前にGIA G.G.資格保有者が確認しています。